総合商社大手の丸紅株式会社(証券コード:8002)は、2025年3月期の連結業績予想を上方修正し、株主還元策の強化を発表しました。これを受けて、同社の株価は5月14日の東京証券取引所で前日比2.3%高の1,250円で取引を終えました。
業績予想の上方修正
丸紅は、2025年3月期の連結営業利益(IFRS)予想を従来の4,800億円から5,000億円に引き上げました。これは前期比6.1%の増益となります。また、純利益予想も3,700億円から3,900億円に上方修正され、前期比5.4%の増益が見込まれています。
この業績予想の上方修正は、資源価格の安定や海外インフラ事業の堅調な推移、そして国内外での投資先の収益改善が背景にあります。特に、エネルギー関連事業とアジア地域でのインフラプロジェクトが収益を押し上げました。
株主還元策の強化
丸紅は、期末配当予想を従来の45円から50円に引き上げ、年間配当は前期の85円から90円となる見込みです。さらに、自己株式取得枠として最大300億円の自社株買いを実施する方針を発表しました。これらの株主還元策の強化は、投資家からの評価を高め、株価上昇の一因となりました。
市場の反応と今後の展望
アナリストからは、「丸紅の業績予想の上方修正と株主還元策の強化は、同社の収益基盤の強さと株主重視の姿勢を示すもの」との評価が出ています。また、日本政府による企業統治改革や新NISA制度の導入など、株式市場全体の追い風もあり、今後も丸紅の株価は堅調に推移する可能性があります。
ただし、世界経済の不確実性や為替変動などのリスク要因も存在するため、引き続き慎重な市場動向の注視が必要です。