国内でも生成AI(Generative AI)を搭載したソリューションやクラウドサービスの導入が加速し、一部企業では関連売上が前年比120%増を達成するなど、市場に強い追い風が吹いています。特に四半期決算で「DXサービス」が120%超の伸長を示したジーデップ・アドバンスなど、関連上場企業の注目度が急上昇しています 。
ここでは、生成AI成長の波にのって恩恵を受ける可能性が高い日本の上場企業を7社ピックアップし、売上動向や成長要因を詳しく解説します。
1.ジーデップ・アドバンス(GDEP)
証券コード:未公開
第2四半期決算で「DXサービス」が前年同期比120%超と大幅伸長。年度通期で生成AI案件を中心に売上高が急増、利益率も改善傾向にあることが注目 。
2.MCJ(マウスコンピューター)
証券コード:6670
GPUクラウドソリューションを展開する子会社テックウインド経由で、生成AI向け高性能PC・サーバーの受注が急増。25年3月期営業利益183億円(前年比+6%見込み)と収益拡大に寄与 。
3.アセンテック
証券コード:3565
仮想デスクトップやクラウドGPU導入案件で大型受注。25年1月期売上145億円(前年比+2.3倍)、経常利益12億円(同+71%)への上方修正を発表し、ストップ高水準で推移 。
4.LINEヤフー
証券コード:4689
2024年度、AIエージェント化によるサービス強化で売上1.91兆円(前年比+5.7%)、調整後EBITDAは4,708億円(同+13.5%)。継続的なAI投資と広告/コマースの融合が収益を支える 。
5.PKSHA Technology
証券コード:3993
自然言語処理や画像認識技術をテーマに、前年9月期に売上高120億円超(前年比+21.3%)でプライム市場へ移行。生成AI分野の主戦力として中長期展開が期待 。
6.Nidec(日本電産)
証券コード:6594
AIデータセンター用水冷モジュールで2025年3月期の売上は400~500億円見込み。2026年には1,000億円規模、最終的には1兆円超を目指す成長ストーリーが投資市場に注目 。
7.Sakana AI関連企業(NTT、ソニーなど)
創業1年でユニコーン評価される「Sakana AI」を通じ、NTTグループやソニー、KDDIなどが生成AI研究に出資。日本国内で複数のLLM(大規模言語モデル)実装を進める潮流の中、関連上場企業として今後の収益化が期待 。
投資家への提言
- 短期~中期戦略:リリース直後の受注発表や補助金・パートナー契約などは材料出現地点として注目。
- 中長期視野:インフラ系(Nidec/Mcj/ASN)とソフト系(ジーデップ・PKSHA)の両軸でポートフォリオ構築を推奨。
- リスク管理:生成AI関連投資に伴う人件費増や開発遅延リスク、サイバーセキュリティ課題への対応が分水嶺。
- バリュエーションに注目:特にソフト系でのPER、高成長期待による予想修正に伴う株価の過熱感に注意。