2025年5月現在、日本株市場では業績好調な企業が投資家の注目を集めています。特に物流業界を中心に、増収増益や配当増加を発表する企業が相次ぎ、株価の上昇が見られます。以下、最新の決算情報や市場動向をもとに、注目すべき企業を紹介します。
山九(9065)
港湾荷役や物流業務代行、鉄鋼・化学業界での構内作業を手掛ける山九は、2025年3月期上半期に過去最高益を達成し、通期計画も上方修正しました。年間配当金も増額され、配当水準の順次切り上げが進んでいます。今後の注目点は、2025年3月期決算発表時における中期計画の見直し公表であり、ROE(自己資本利益率)10%の実現に向けた施策として、自社株買いの実施計画などが示される可能性があります。
SGホールディングス(9143)
佐川急便を中核とするSGホールディングスは、2024年7月にC&Fロジホールディングスを連結子会社化し、2025年2月には台湾企業モリソン社の買収を発表しました。2025年3月期の営業利益は、平均単価の上昇や新規連結効果などで増益に転じる予想です。3月27日には、2026年3月期を初年度とする新中期計画を公表予定で、自己株式の取得実施の有無やその規模感が焦点となります。
三菱倉庫(9301)
倉庫業界で売上高トップクラスの三菱倉庫は、世界140カ所に物流関連拠点を持ち、港湾荷役や陸上運送業務、不動産賃貸事業を展開しています。2025年3月期は4期連続増配を計画し、4年間で配当水準は2.7倍となる見通しです。2月28日には6年間を対象とする新中期計画を発表し、2030年度の事業利益を630億円(2024年度見込み225億円)とする目標を掲げています。配当金はDOE4%以上を目指して増配を継続し、自己株式取得も期間中400億円以上を実施する予定です。
日本通運ホールディングス(9147)
総合物流最大手の日本通運ホールディングスは、2025年12月期の最終利益を7割増と計画しており、PBR(株価純資産倍率)は1倍を下回る水準で、資本効率性の向上が期待されています。原油価格の下落も利益押し上げ要因となっており、今後の業績拡大が注目されます。
センコーグループホールディングス(9069)
3PL大手のセンコーグループホールディングスは、冷凍・冷蔵食品の保管や小口配送で国内トップクラスのシェアを持ち、2025年3月期は前期に続き過去最高益の更新を計画しています。第3四半期時点での通期計画に対する経常利益の進捗率は81%と順調で、2027年3月期までに配当性向40%を目指す方針を掲げています。
SBSホールディングス(2384)
企業の物流業務を受託する3PL(サード・パーティー・ロジスティクス)を展開するSBSホールディングスは、リコーや東芝、古河電気工業、日本精工の物流子会社の買収などM&Aを通じて急成長しています。EC分野では、2024年2月に千葉県野田市に大規模物流センターを開設し、2025年12月期には大阪府八尾市に2ヵ所目となるEC物流拠点を本格稼働させる予定です。低温物流やインフラ関連、家電、半導体領域などで輸送料金の適正化にも注力し、収益力の強化を図っています。
ファナック(6954)
ロボット受注が伸びるファナックは、2025年3月期に業績の急回復が見込まれ、株価上昇が期待されています。工作機械が低調ながらも、ロボット受注の増加が業績を下支えしており、今後の成長が注目されます。
富士通ゼネラル(6755)
北米事業の拡大に期待がかかる富士通ゼネラルは、2025年3月期に業績回復が見込まれています。業績下方修正があったものの、明るい兆しも見られ、今後の展開が注目されます。
これらの企業は、業績の向上に伴い株価も上昇傾向にあります。投資家にとっては、今後の動向を注視することで、魅力的な投資先を見つける手助けとなるでしょう。